1950年代、60年代の当時の日本は安部勇磨にとって、実際に自分で触れて、嗅いで、そして見てみたいと思うほどに多大な影響をあたえている。その時代に行きたいとさえ思っているほどに。しかし、現実はなかなかそうもいかず、安部は自分なりに当時の日本を再解釈し、自分なりに作ることにした。その結果生まれた作品がこの「Hotel New Yuma」である。 これは当時の50年代、60年代に戻れるタイムマシンでもなければ、その当時のものを詰め込んだタイムカプセルでもない。模倣でもなければ、懐古でもない、安部が50・60年代を愛して、深く思いを馳せた結果、全く似て非なる新たな50・60年代を安部は意図せず創造したのだった。 ここで、みなさんを安部がつくった50・60年代にお連れするとしましょう。それでは、想像してみてください。